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差別と合理的配慮
障害者差別解消法が施行されました。
自分は障害者差別なんてしていない、と思われる方も実は多いのではないでしょうか?というより世の中の多くの人は普段そういうことを全く考えなくても生活できるので、たまに障がい者と思われる人にあっても、「障がい者だ」と思う程度で、差別するとかしないとかそういう所まで考えたことがあまりない、というのが実態のように思います。
身体障がい者の方は、見た目でわかる場合が多く、この人はこういう課題を持っているんだという事が類推できます。しかし、知的障がいや特に精神障がいの場合は見た目で分かりにくいため、周囲の人が当事者にとっては心無い言動をしている場合があります。
例えば電車で隣にいる見知らぬ人がずーーーっとブツブツ独り言を言っていたら、電車が動いているにもかかわらず、その人の傍から離れてしまうかもしれません。でもその人が近所の人でその人の障がいの状況をよく知っている場合はどうでしょう?

以前スウェーデンに行った時のことをこのブログで書いたことがありますが、到着した夜、既に10時過ぎていたと思いますが、夕食を食べていなかった私たちは取りあえず近くのファーストフードの店に入ってびっくりしました。店の半分近くを車いすと精神障がいと思われる人々が占めており、楽しそうに食事をされていました。少なくとも私は日本でこんな光景を見たことはありません。

大牟田でも認知症の高齢者を地域で見守る仕組み作りのため、小学生が認知症の高齢者一人ひとりを知ることから始めました。

何が言いたいかというと、色んな障がい者を持つ人がそばにいるという事が、障がい者差別解消の第一歩だということです。
そして私たちが言う障がいが、実はその人の個性であるということに気付いてから、今の社会の中でその人たちが抱える課題が何なのかを理解することの出発点に到着できるのだと思います。

昨日太宰府市内にある特別支援学校に行きました。ここは当初250名規模を想定して開校しましたが、5年経った今540名を超す児童生徒が在籍しています。子どもたちの数がこれだけ増えると、当然ながら教職員の数も相当増やさなければなりません。大体3名から6名くらいに1人の教師が必要ですから。すると、教室や駐車場が足りなくなることは勿論ですが、教師も机に長机を使い、1人50僂靴使えないという状況で、仕事をされておられました。なぜここまで想定外の児童生徒がこの学校に来るようになったのか。元々の想定が甘かったという指摘、障がい児の割合そのものの増加などがありますが、一方で親の子どもが障がいを持っているということについての理解が進んできたということも言われています。以前は子どもに障がい者手帳を持たせることについて大変な抵抗を感じていた人たちが多く、家の中に囲ってしまう場合もあったようです。しかし、今は子どもの障がいに応じて出来ることを探して訓練などを行い、出来るだけ社会と関わって生きていってもらいたいと願う保護者が増えたということかもしれません。

しかし、太宰府特別支援学校のキャパは既に限界に来ています。
普段視察では行政や教育委員会の施策についてともすれば批判に繋がるような事は説明内容に入れないというのが慣例です。従って事前に課題について独自で調査しておき、公的な説明が終わった後、個人的にお話を聞くという事がよくありますが、昨日の校長先生のお話は、本当に心の叫びのようでした。
今新校舎が建設中ですが、完成しても30近い教室の不足が予想されています。また、この学校は丘の上にあり、平地の校門から校舎まで相当長い坂道を登っていかなければなりませんが、その道の片側車線のほとんどを教職員の車で閉めており、子どもたちの送迎バスが往来する時間帯の道路は混乱を極めています。

これは障がい者差別解消法の合理的配慮に欠けている、と指摘されても仕方がない状況かもしれません。しかし大規模なハードの改善は、簡単にはできません。私自身もジレンマを感じながら、まずは出来ることを具体的に提案していくしかない、と思っています。


 
| ミホ | 10:29 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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Comment
何年か前に、ある外資系保険会社で、聾唖の方々と仕事をしていました。健常者は私だけ、上司は手話が堪能な人でした。 最初は違和感(失礼とは思いますが)を感じましたが、慣れてくると、それが普通になって仲良くなっていきました。外資系の会社は、障がいを持っている方の採用に積極的な所が多いようです。 一度 そのような会社に話しを聞くのも良いのでは?
Posted by: スマートレイ |at: 2016/06/08 12:00 AM
コメントありがとうございます。
日本理科学工業では、職員の70%が知的障がい者です。この会社の大山社長のお話を伺ったことがありますが、障がい者を雇用することが結果的に日本の財政面でも大きな役割を果たしているという内容があり、大きな感銘を受けました。
Posted by: わたなべ美穂 |at: 2016/06/08 11:38 AM








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